中学で仲良くしてくれた子は、今思えば趣味が早熟で、竹宮恵子先生や萩尾望都先生が大好きだった。
そして、耽美系のファンだった。
BLという言葉はまだ無い。
同性愛系の雑誌はいくつか発行されていて、好みの傾向で棲み分けされていた。
どちらかと言えば女の子が好む耽美系は、専門誌の名を借り「ジュネ」と括られていた。
創作の才能も早熟だった。
今すぐジュネに載せても引けを取らないような美少年や、花や小物を緻密に描いていた。
小説も書いていたはずだが、それはあまり、読ませてもらったことが無い。
イラスト付きのポエムを、よく描いて見せてくれた。
ポエムも海外の小説というか、思想の影響を多分受けていて、私にはだいぶ難しかった。
映像作品にも詳しくて、新旧問わず耽美に関係するものはチェックしているようだった。
彼女は私に色々教えてくれたが、ハマらないのが分かると、勧めると言うことはしなくなった。
手紙交換は、頻繁に行なっていた。
私は当時から、ただの野球好きだった。
お互い何かに耽溺していて、しかも絶対に分野が被らない。
手紙はお互い、自分の好きなことばかり書いていたような気がする。
当時は何も感じなかったが、もしかしたらそこに、仲良くできた理由があったのかもしれない。
手紙の中に時々、「ビョルンくん」という人の話が出てきていた。
先ほど、多分その「ビョルンくん」なんだと思うけど、その方の訃報を見た。
彼の若き日の美貌は中学生の私には刺さらなかったが、今BBAになって見ると、ああなるほど綺麗だなあと思う。
私にジュネが刺さらなかった理由も、今なら何となく分かる。
私の男の趣味が、どっちかって言うと・・っていうか明らかに(汗)さぶ系だったからだろうと思う。
中学生女子がそっちの方が好きとは、自覚があったとしても中々言えなかっただろう。