「四人のこどもたち」の百ちゃんが、その白球の行方に目を奪われる様子です。
GMの誘い通りにグラウンドから去った尾形くんでしたが、私は本当は尾形くん、プレイヤーを続けたかったんじゃないかと思っています。
自分が本当に欲するものって何なのか、気付くのが不得手な尾形くんです。
グラウンドの歓声に、その小さな胸は確かに躍った筈なのです。
だけど、それに気がつかない内に彼は、複雑な大人の事情に巻き込まれてしまうんですね。
この子野球が好きみたい、と、最初に気がついたのは百ちゃんを育てていた「ママ」です。
パパに捨てられ、ママの愛情はたっぷり自分だけに与えられていると、信じて疑っていない百ちゃんでした。
どうして彼女が自分を打ち捨てて、呆気なく男の元へ走り去ったのか。
もちろん、「ママ」の行動は、褒められたものではありません。
百ちゃんの心を、ズタズタに引き裂いた事には違いありません。
百ちゃんの心の傷が癒える事は、正直言うと、無いと感じています。
大人の事情も理解して受け入れるなんて、繊細な百ちゃんには、無理だと思う。
百ちゃんにしてあげられる事は、変わらぬ愛もあるんだよって事を、教えてあげるくらいだと思うのです。
菊田コーチから教えてあげられる事はもう、あれ以上無いと思うんです。
本当の変わらぬ愛を、彼に直接教えてくれる誰かを、見つけられる日は来るのかなあ。
来ると、いいですね。