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恋に落ちた日のこと

行きつけのバーに行くと、いつも一人でチビチビ飲んでいるおじさん。私は付き合ってる彼氏とうまくいってなくて、いつもおじさんに話を聞いてもらってた。というか、もう身の下話までぶっちゃけてワーワー喋ってた。おじさんの「へーそうなの」「大変だねー」…

さよなら美しきひと

地元の総合大学では、いつも誰かしら職員を募集していた。研究助手として採用されたわたしが配属されたのは、ある動植物の関連研究室だった。多分それほど大きくはない部屋の壁は、一面書棚で埋め尽くされていた。動植物研究というからには何かおどろおどろし…

EP.01-02

EP.01  涙ナミダの引退式その日は、突然やってきた。「親父さん、俺、今シーズン終わったら引退すんだ」「・・・・・」「・・・・・は」「・・・ハァ!?」普段あまり取り乱さない私の父が、卵をかき混ぜる菜箸を落として狼狽た。ここは、あるプロ野…

EP.01 のらぼう菜とアメリカン

* 2024年 4月 *こんなもの持つ日が来るとは全くの予想外だった。私が実際使うかどうかは、まだ分からない・・・杢太郎さんは現役時代、キャンプ前の自主トレを、ハワイで行っていた。最後に行ったのいつだっけ・・とか呟きながら、彼はパスポートを…

EP.02  WANDERING TAIL

6月。初夏の日差しが暑さを感じさせる季節がやってきた。2時を過ぎたので店を閉め、私は店の窓の、日除け用のロールスクリーンをガチャガチャやっていた。「ん~壊れたかとうとう・・・」下げても下げても、ガラガラと音を立てながら上へ上がって行ってしま…

EP.03 GMの野望

百之助。よく考えてくれたようだね。お前なら分かってくれると信じていたよ。不死身の杉元を売ったところで手に入るのは、せいぜい十数億の端した金だ。もちろん、金はいくらあっても邪魔にはならん。1ドルでも高く、市場価格を吊り上げるのだ。それがあの者…

EP.04 Bitter sweet thirty one

オールスター戦が始まる前の7月下旬、彼が予定通りに帰国した。彼の「裏ミッション」は、アメリカにいたんだから、当たり前だが何も進んでいない。シーズン前半戦が終了して、関カムは最下位に転落していた。不死身の杉元も最近不発で、テレビから伝わるベン…