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EP.05 8月9月・限界・カムイ

杢太郎さんがアメリカに再び旅立って、私は杉元くんの二軍での様子を彼に伝えるようになった。以前はあまり見に行かなかった練習も、杉元くんが来てからなんとなく見守るようになってしまった。私が見ていたからって、杢太郎さんのミッションに何か役立つとも…

EP.06 PAN PAN PAN

その後は、店に宴会らしい華やぎが広がった。恩返ししたい、いろんな人の話を次から次へとしてくれる。関カムには「食わせてもらった」と言っていた。このスーパースターが、リップサービスではなく本気で言っているのだ。きめ細かく人の恩に報いようとする彼…

EP.07 「コールマイン」 in 渋谷

<< 渋谷の小さなバーで 男の一人語りが始まっている >>父親は堅物だったと聞いています。大学生協でアルバイトを始めたばかりの女と、入学したての男。仲良くなるのに時間はそうかからなかった。母が自分で、そう言ってました。父親の家は代々政治屋な…

EP.08 11月26日

11月26日。FA受付期間も終わり、プロ野球界はストーブリーグ真っ只中だ。杢太郎さんたちの「特命プロジェクト」にも、今年度の業績報告会がある。このプロジェクトの基本は、メジャー流を色々な面から学んでくることだった。杢太郎さんは、自分がアメリ…

EP.09 クロス・ロード

杢太郎さんが回してくれたタクシーで、指定されたフレンチレストランまでやってきた。約束の時間を過ぎても現れない彼を席でおとなしく待っていた、私のスマホに差出人不明のメールが一通。会議が終わったら、杢太郎さんとホテルから、一緒に来る予定だった。…

EP.11 みんな幸せになれ

朝になって、昨日渡すつもりだったプレゼントを開けてもらった。とっても可愛い包装から出てきたジョックストラップに、何故か彼は大笑いが止まらない。「えー何、そんなに笑う?欲しかったんじゃないの?」彼がリビングのパソコンで検索していたから、使って…

また、輝くだろう

僕が月島と再会したのは2012年、地元のBCリーグ戦が終盤を迎える頃だった。いや正確には再会ではなく、その時は、僕が一方的に見つけただけだった。僕のふたつ後輩で、1年生ながらさっさと正捕手の座を手にしたあの月島は、下の名前を変えていた。ただ…